プント

アバルトをもっとアバルトにしちゃいましょう

【2018年12月 みんから+掲載】

日曜日は作業についてはお休み頂いたいているので、少し濃い目のブログでも書こうと思います。
12月に入り作業がかなりたて込んでおりまして、きっちりと作業ブログもアップできていませんでした。

特に今日のような作業内容だと、説明をするのにも考えながら書くので時間が掛かっちゃうんです。

ご依頼頂いたのは【2013y FIAT PUNTO】のステアリングです。
グランデプント・アバルト・スコルピオーネ等、同形状のステアリングを装備している車名が出てきます。
申し訳ないのですが、この辺りの車種の区別に詳しくないので、互換・流用等は分かりません。

お送り頂いたステアリングを拝見すると、これまたちょっと特殊な配置です。欧州車では見かける分割ですが、一枚の面積が大きくなるのでちょっと大変です。
純正でも【ちゃんとコストが掛けられる車種】へ採用されています。
工法的には問題ないのですが、一点物で再加工となると工数が掛かるのでちょっと大変だったりします。


それほど痛みもありませんが、せっかく形状が良いのに配色が地味なので個性が足りませんよね。


今回のリクエストは本革+アルカンターラ・ステッチイエロー(亀甲ステッチ)です。
(注)
アルカンターラはスエード調素材の特性上、経年劣化で起毛が寝てしまい耐久性の面でも本革とは違うので通常はステアリングへの採用は控えております。
その他、本革に比べ材料費・素材の厚み等が違いで作業工数が掛かるので、費用的にも変わってきます。
また、R形状への追従性が異なるので使用できる形状に制限があります。

このステアリングへは外周に使用したので、形状的な制約はクリアできました。
ただ、異素材を組み合わせる縫製なので、伸び具合の違い他、細かい部分で非常に気を使います。
苦労した分、その仕上がりはとても良くなりました。


革とアルカンターラを丁寧に縫製し、さらに亀甲ステッチで縫い上げます。
イエローのステッチが格好いいです。


ただ縫製するのではなく、必要に応じて部分的にピッチを変えるのは手作業だから出来ることです。
一針ごとに変わる状況に合わせ、素早く・正確に判断していきます。


正確な型取りだからこそ、絶妙ラインで仕上がることが出来ます。


純正の端末処理は突き当てで接着してあるだけですが、ここでひと手間かけて溝を彫り込み、その溝に端末を落とし込む方法で仕上げます。


【重要】
現状、アルカンターラはすべての部位に使用する事には対応していません。

上記の様に耐久性に難があることも理由の一つですが、本革との作業性の違いも大きな理由の一つです。
ステアリングは3次元のRが複雑に組み合わされ、素材は平面から捻られる事も多々あります。
一定のクオリティを確保するため、ここに判断してお断りしなければならない事をご了承下さい。
また、ご要望にお答えできる様に技術的にも改善しています。ゆっくりではありますが…。

=加工費=
FIAT
アルカンターラコンビ革巻き加工:76780円(税抜価格:69800円)
※ハイクラス仕様はお問い合わせ下さい。
※上記価格は消費税込の価格となります。
※上記には部品費・送料は含まれません。

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