今日は革の種類についてお話しましょう。
ちょっと長くなるかもしれませんが、どうぞ最後までお付き合い下さい。
よくご質問頂く内容です。
【ハイラクスとノーマルって何が違うのか?】
【ハイラクスとノーマルのどっちが良いのか?】
ハイラクス革をラインナップに入れて結構経ちましたが、詳しい説明が出来ていなくて申し訳ありません。今日はその疑問にお答えします。
この話をするのには、ものすごく根本的な部分からスタートする必要があります。
まず、大前提として【革は天然素材】です。
革になる牛は肉牛です。乳牛は牛乳を出してもらうので、比較的年齢が高くなるので革には適していません。また、日本は諸外国に比べ牛肉の消費が少ないので、元になる原皮は主に輸入されたモノです。
その原皮には、牛が生きていた時点でのシワ・虫刺され跡・キズ・焼印跡(持ち主の印)等の個性があるんです。
もちろん、使用に適さない部分は避けて使用しますが、逆を言えば使用に支障が無いレベルの部位は影響が少ない部分で使用するのも裁断する職人の技術です。
ここまでよく読んで頂き、ハイクラスとノーマルの違いに話を戻します。
まずはハイクラスの画像をご覧下さい。
表面がツルッとした見た目ですが、握るとシットリした質感です。
続いてノーマルです。
シボ目が残る革らしい革です。
使用する原皮は基本的に同じです。
しかし、ハイラクスは等級が上の原皮を使用します。
なんで?と思うかもしれませんね。
ノーマルとディンプルは【型押し】をしてあり、ノーマル(シボ目)・ディンプル(凹)の模様をつけてあるんです。これには表情をつける意味と、小さなキズを目立たなくする意味があるんです。
一方ハイラクスはこの型押しをしない革なんです。その為、キズやシワはそのままになります。
なので等級が上の原皮を使用する必要があるんです。
その結果材料費が高めの設定になってしまうんですが、さらに、キズ・シワが隠せないので使用できる面積が少ないんです。
しかし!ハイクラスの最大の特徴はその質感にあります。
型押しをしないので、ノーマル・ディンプルに比べ【ソフト】で【しっとりした質感】が心地良いんです。
よく、どっちが良いでしょうか?とご相談頂くのですが、『質感を重視するなら絶対にハイクラスがオススメ』です。
もちろん、ご予算の事もあるのでゴリ押しは出来ませんが、後から変更出来る部分では無いので、『迷っているならハイクラス』にした方が後悔はしないはずです。
もちろん、決してノーマルが悪いわけではありません。
最終的にはお好みや使用目的でご選択頂くのがベストなんです。
長々とお付き合いありがとうございました。
縫製レベルにこだわり・デザインにこだわり・材料にもこだわり、お客様が手にした時に笑顔になる製品を作っていきたいと思っています。