【2012年8月 みんカラ+掲載】
なぜかスバルの車が集中している8月です。
それでは、GRBインプレッサの純正革巻きステアリングのカスタムからです。
外観からは意外な程にシンプルな純正ステアリングです。
サクサクッと既存の革を剥がしていきます。
↑の画像を一度ご覧頂くと判りやすいかと思いますが、純正の革の分割位置が2色(又は2パターン)使い事を考えるとイマイチバランスが良くありません。
そこで、上部はそのままで、下部だけ少し下側へ変更します。(マスキングテープでイメージしながら)
いきなり完成ですが、形状は一切変更していません。
分割位置の変更と、カラー・パターンの変更だけですが、ここまでイメージが変わります。
純正を活かしたカスタムの場合、エアバッグはそのままでOKですので、当然保険も現状と変わりありません。さらに、ベースは純正のままなので、性能的にも純正のままです。
これ重要なんですよ。
ちょっと話が逸れますが、大事な事なのでじっくり考えて下さい。
ヤ○オク等で安売りされているカスタムステアリングは、ベース形状が純正風なだけで決して純正ではありません。
中には強度が純正以上!なんて言っている所もありますが、これは大きな間違いで、決して頑丈であればいい訳ではありません。
純正は万が一の事故の時、運転者を出来るだけ守る為、【壊れる様に】作られています。
なので、下の写真をよく見ると、センタースポークの付け根は「大丈夫なの?」って位に細いでしょ。
これは、シートベルトをしていても、追突時に前に押し出された腹部を守る為、あえてステアリングが曲がって衝撃を吸収するように作られています。
その為、メーカーでは何十回・何百回とクラッシュテストを繰り返し、様々なデータの蓄積があってこの形状が採用されています。
見た目の派手さや豪華さだけの為に、一番大事な【安全】を捨ててしまう前に、もう一度考えて下さい。
それと、耐久性があります!なんて言っているだけましで、中には【形だけ】の粗悪品も混ざっているので、そちらにも十分ご注意を…。
運転中にハンドルが取れちゃったら洒落になりませんから…:(;゙゚'ω゚'):
さて、話を元に戻しましょう。
FIRSTのカスタムは、純正以上の純正部品に仕上げる!のをモットーにしていますが、ちょうど良い比較写真があったのでご紹介します。
上では純正部品のイイ所を説明しましたが、残念な所もあります。
量産品故について回る【コスト】です。
メーカーは品質を維持しつつ、少しでもコストを下げる努力をしています。
結果的にはユーザーさんが購入する価格に反映される訳ですが、弊害として【使用には害のない品質の低下】が起こってしまいます。
加工の部分で言えば、悪く言えば手を抜ける所は抜く訳です。(全てがそういうわけではありませんが)
純正の革を剥がす前のスポークの仕上げです。
端末の仕上げが…。もうちょっとキレイにして欲しかった…。
接着しようとした形跡はあってもこんな状態…。
で、FIRSTの仕上げはと言うと…
見えない所でも手は抜かない!
と言うより、コレが普通だと思ってるので。
小さい所でも、拘って仕上げています。
もうちょっとなので、あと少しお付き合いを。
先日、R1のステアリングでご依頼頂いたお客様より、到着後にこんなメールを頂きました。
「商品、無事到着いたしました。
想像以上の出来栄えで感動しております。
こうなると、シフトノブも同じ仕様に張り替えたくなってしまったのですが、どのような段取りでお願いすれば良いでしょうか?
以下略」
オーダー頂く時、本当に嬉しいのがリピーターのお客様からのご依頼です。
前回お送りしたパーツが気に入って頂けて、さらに他の部分もご相談頂けるのは、職人からすると最大級の誉め言葉と同じだと思います。
ちょうどたて込んでいる時期でお待たせしてしまいましたが、無事加工も終わり納品させて頂きました。
R1純正革巻きATノブの、カスタム仕様です。
長くなってしまったので、日を改めてスバル編その2をアップしますね。
今度は別の車種です。
お楽しみに!
※2012年当時はステッチなしの仕様でしたが現在はステッチありが標準となります