【2017年10月 みんから+掲載】
1993y
つい最近だと思っていましたが、すで四半世紀近く前なんですね…。
歳とるわけだ。
PORSCHE 911
言わずと知れた名車ですよね。
県内からお越し頂きました。
正確な年式を聞き忘れてしまいましたが、エアバッグが付き始めた年代です。
お客様と話していると、この年代の911の価格高騰が凄いと。
気になって調べてみましたが、たしかに凄かった…。
国産に比べ、まだまだ部品供給が十分されているそうですが、納期が掛かったり大変な面もあるそうです。
また、中古のパーツもかなりのお値段だそうで、今回のステアリングも中古を買うのと、レストアする費用が余り変わらない。
それであれば、20数年前の中古パーツよりも、出来たてホヤホヤのレストアの方が良いですよね。
現物をお持ち頂きましたが、ぱっと見は結構キレイです。
普段の足にする車では無いので、年式の割にキレイな事が多いですが、よく見ると25年の劣化は避けられないのがよくわかります。
直射日光に一番当たる部分は、表面が劣化してザラザラになっています。
もう、こうなってしまっては手遅れです。
裏を見ると…。
突き当てで処理された端面が、革の収縮で隙間が広がっています。
加工するにあたり、ホーンボタンの周辺を取り外す必要がありますが、これがとても気を使います。
樹脂の劣化が進んでいる年式の場合、樹脂部分に触るのがとても怖い!
力の入れ方を間違うと、簡単に【パキッ】と逝きます。
ご要望は、【純正デザインを変えないで仕上げたい】との事でしたので、分割位置は変更せずに一枚取りで裁断します。
一枚取りにすると、革は長辺で1mを超えます。失敗するとロスがとても多いので、材料取り~仕上げまでとても気を使います。
スイッチも丁寧に外しまし、端末もキレイに処理しました。
ステッチも手触りが良く、革の質感も純正以上に仕上がりました。
写真を撮り忘れてしまいましたが、隙間の開いた裏側は、後々の事を考えて突き当てにはせず、ミゾを追加して端末を落とし込んで処理しました。
これで、あと25年経っても開くことはありません。
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