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こういう部分が腕の見せ所です

通常あまり使わない革の加工をお見せしようと思います。

通常革巻き加工をする際は、基本的に革をそのままの状態で使用します。
一部革を漉いて使用する箇所はありますが、全体的に見ればごく一部分のみです。

しかしながら、今回の様に部品単位で貼り込んでいく場合、どうしても必要になるのが全面漉き加工です。

漉き加工とは
革を部分的に薄く漉く加工のことを革漉きと言います。
使用する場所によって、革を斜めに漉いたり、折り返し部分を薄く漉いたりする加工の事です。

今回、加工するのは某欧州車です。(車種等は完成後までお待ち下さい)
左上の水色の部分には、樹脂のプレートが付いていましたが、今回はそのプレートへも革を貼り込みます。
ただし、樹脂と革面は面一なので、そのまま貼り込むとプレート部分が一段高くなってしまいます。


弊社で通常しようする革(一般的に自動車用で使用される革)は、厚みが1.3㎜前後がデフォルトです。


そこで革を全体的に薄くのですが、全体的に漉くと言ってもモノには限界があります。
↓の画像の左側は厚み0.2㎜まで漉いた場合、右側は0.3㎜まで漉いた場合です。
どちらもディンプル部分は貫通して、パンチングの様になっていますが、よく見ると左側はディンプルが形状を保てていません
たった0.1㎜の差ですが、この辺りが限界と言うことでしょう。


向かって左側


向かって右側


おおよその限界点が分かったので、貼り込みに使用する革を漉きます。
今回使用するのは、ブラックノーマルです。
これを0.34㎜まで漉き加工をします。


ちなみに、0.3㎜ってどれくらい?と思われるでしょうが、大体インクジェットの写真用紙くらいの厚みです。
丈夫な革もここまで薄くなると大分扱いは難しくなります。

部分的に完成しました。貼り込みの段差を極力小さくする為、限界まで薄く漉いたのでエッジまで鋭く巻けました。
特に右側のパーツのエッジは綺麗に出ましたね。

小物の加工の場合は対象物も小さいので、通常の加工より繊細さが必要になります。
決して小さいから楽な訳では無いんです。
小さいからこそ、誤魔化しが効かないんです。

派手さはありませんが、こういう所が
【本当の腕の見せ所】
なんです(^o^)

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